お金の価値が学べ、金銭感覚が身に付く「報酬性お小遣い」
お小遣いの渡し方には、毎月など決まったタイミングで定額を渡す“定額制”と、お手伝いなどの対価として渡す“報酬制”があります。
定額制の場合、毎月入ってくる金額が決まっているので決まった予算内でやりくりする収支管理が身につく一方、何もしないでもお金が手に入るため、受け身になりがちです。また、欲しいものがあった場合、節約するしか方法がなくなってしまいます。
一方、報酬制の場合、自分で稼ぐという疑似体験ができるので、お金は何もしないで入ってくるものではないという感覚を早くから身につけることができます。金銭感覚を身につけると、ムダづかいが減り、大事なものにつかえるようになります。
また、買いたいものがあった場合、自分で頑張ることで目標に近づくことができます。親が干渉をしなくても子どもが自ら行動するようになり、その頑張りを親が報酬という形で認めてあげることで、子どもの自己肯定感も増していきます。
はじめは定額制で収支管理を身につけてもらい、年齢が上がり友達同士で出かけるタイミングが増えてきたら報酬制も取り入れるなど、組み合わせる方法もあります。子どもの年齢やライフスタイルに合わせて、見直していくといいでしょう。

報酬性お小遣いを取り入れて子どもの自立を促すポイント
報酬制お小遣いの場合、どのような内容を子どもの”仕事”にしたらよいでしょうか。報酬内容の選び方や額の決め方など、子どもの自立を促すポイントを紹介します。
【ポイント1】目的を考え、家庭の方針を明確にする
まずは、報酬制お小遣いを取り入れる目的を考えます。将来に向けた良い習慣を身につけて欲しいからなのか、大人の仕事と同じように働くことでお金を得られる感覚を学んで欲しいからなのか、目的と方針を明確にし、子どもに伝えられるようにしましょう。
その際、「生活習慣」、「家事」、「勉強・習い事」など、何を報酬の対象にしていいか、家庭の方針を明確にしておくと、仕事の内容が選びやすくなります。
【ポイント2】子どもがやらないといけないと思っているものを選ぶ
子どもの自立を促すためには、子ども自身もやらないといけないと思っているけれど、もう一歩やる気が起きないものを選ぶといいでしょう。親が子どもの背中をやさしく押してあげるのと同じで、報酬制お小遣いが最初の行動を起こすきっかけ(外的インセンティブ)となり、行動を積み重ねていくことで自発的に行動しようという気持ち(内的インセンティブ)が強化されるという正のサイクルが生まれます。
例1: 「お手伝い」
お手伝いをすることは家族の一員として当たり前だとわかっているけれど面倒でできない→報酬制お小遣いをきっかけにお手伝いを始める→家族から感謝されて嬉しくなる→お小遣いがなくても家事を手伝うようになる
例2 :「自分で早起きする」
早起きをした方がいいけれど、夜ふかしをやめられない→報酬制お小遣いをきっかけに夜ふかしをやめる→早起きをして朝ごはんを食べると午前中から元気でいられることに気づく→お小遣いがなくても自分で早起きをするようになる

【ポイント3】成果より行動を対象にする
「テストで◯点以上」「コンクールで入賞」など、成果に対する報酬は、運に左右されることもあるのでものすごく頑張ったのに報われず、失敗体験になってしまうリスクがあります。
「週に◯回練習をする」「1日◯ページ問題集を解く」など、成果よりも行動を対象にした方が、子どもも何をすべきなのか具体的な方法が示されるので、より取り組みやすくなるでしょう。
【ポイント4】報酬額は全部達成したときの合計金額を目安にする
報酬額は、週に1回、毎日など決めた頻度を全部達成したときの合計金額を目安に考えます。悩んだら、すべてのタスクができたら定額制お小遣いと同額を稼げるくらいがおすすめです。
例:
小学生 50円/回(毎日達成した場合、月1,500円)
中学生 100円/回(毎日達成した場合、月3,000円)
高校生 200円/回(毎日達成した場合、月6,000円)
【ポイント5】報酬内容や金額は親子で相談して決め、定期的に見直す
報酬制お小遣いは、子どもが責任もって続けられる内容であることが大事。そのため、両者が納得できるように話し合ってから始めるようにしましょう。
その後も、子どもの年齢や忙しさ、家庭のライフスタイルの変化などを考慮して、定期的に見直します。子どものやる気が出なければ内容を変えてみるなど、柔軟にいろいろ試してみながら、家庭にあった方法を探していくといいでしょう。

どうする?報酬制お小遣いの仕事内容
それでは、どんな仕事を報酬制お小遣いの対象にすればいいのか、具体的に紹介します。家庭の方針や子どもの状況に合わせて、参考にしてくださいね。
(1)お手伝い
・お風呂掃除、トイレ掃除
・食事の配膳、皿洗い
・洗濯物を干す・たたむ
・拭き掃除、掃除機かけ
・料理、献立を考える
・ゴミ捨て
・犬の散歩、餌やりなどペットの世話
・きょうだいのシッターや家庭教師
(2)生活習慣
・起床時間、就寝時間を守る
・きょうだい喧嘩をしないで話し合う
(3)習い事、課外活動
・ピアノ、ヴァイオリンなど音楽の練習
・素振り、リフティングなどスポーツの練習
・ランニング
・ボランティアに参加
(4)勉強系
・学校の宿題や予習・復習
・塾の宿題
・読書
報酬性お小遣いの受け渡しには、シャトルペイの「仕事機能」が便利
🔰はじめに
仕事内容を子どもと相談して決めましょう
子どもが自主的に仕事を始めれるように、仕事の内容を子どもと相談して決めましょう。
まずは、子ども自身がやりたい仕事や達成したい目標を登録して、子どもにお願いしたい仕事や身につけて欲しい習慣などがあれば追加してみましょう。

【Step1】仕事を作る
まずは1つ仕事を作成してみましょう
仕事内容:お風呂掃除をするといった具体的な内容を入力します。
実施頻度:子どもに仕事を実施してほしい頻度を選択します。
報酬金額:仕事が完了したら報酬として渡す金額を入力します。
メッセージ:入力すると子ども用アプリに表示されます。子どもが仕事をはじめる際に、やる気を高めたり、仕事のやり残しを防ぐのに役立ちます。毎日〇〇のあと、△曜日の〇〇時など仕事のタイミング等を入力しておくのもオススメです。※未入力の場合は「仕事が終わったら忘れずに完了しよう👍」と表示されます

報酬は渡した方がよい?
仕事の報酬は、仕事の責任やお金の価値を教えることを目的にしていることや、頑張りや成果などの応援としてお金を渡していることを子どもに説明し理解させることが大事です。
まだ子どもが一人で仕事をこなせない場合は、一人で出来るようになった仕事にだけ、おだちんを渡すなど、ルールを設けて報酬額を調整しましょう。
子どもがお手伝いを自主的に進んで出来るようになったら、定額制お小遣いに切替えていくのもオススメです。
【Step2】仕事をして、実施を報告する
実施した仕事を完了しましょう
仕事画面TOPに今日できる仕事が表示されます。今日の仕事を子どもが実施したら、リストから選択して実施完了にしましょう。
実施完了すると、ホーム画面の利用履歴にも表示されます。子どもが約束通り仕事を実施したか素早く確認できるので便利です。
【Step3】実施を確認して、送金する
送金待ちの仕事の内訳を確認して送金しましょう
送金待ちをタップすると、送金待ちの内訳を確認できます。内容に間違いがないか確認してから送金しましょう。
送金が完了すると、子ども用アプリに送金履歴が表示されます。

報酬を渡すタイミングは?
子どもが仕事をしたその日に、感謝の気持ちや報酬を通じてフィードバックを行うことで、子どもが行動と結果を結びつけやすくなります。やる気を高め、習慣化につながる効果が期待できます。
【Step4】仕事を編集する
定期的に実施を振り返り、内容を更新しましょう
仕事が習慣化できるようになったり、目標を達成したときは、これまでの内容を振り返って、仕事内容を更新してみましょう。仕事画面の[一覧]から、仕事一覧を開き、任意の仕事を[編集・休む・終了]することができます。
編集する:仕事内容のアップデート、報酬額や実施頻度を変更できます。
お休みにする:勉強や部活、旅行などで仕事を実施できないときに一時的に休むことができます。お休み中にした仕事はいつでも再開することができます。
終了する:実施しなくなった仕事を終了することができます。終了した仕事は[終了した仕事]画面で確認できます。※一度終了すると再開することはできません。

※子ども用アプリからは仕事の追加や仕事の編集はできません。
以上が「仕事機能」の使い方です。家庭内アルバイトなど、報酬性のお小遣いを家庭内で上手に楽しく取り入れて、親子でお金のよい学びを実現できると良いですね。
「シャトルペイ」の使い方をもっと詳しく知りたい方は、こちらをチェックしてみてください!
シャトルペイの使い方

※1 金融広報中央委員会(2016)「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度」