年齢別おすすめのお小遣い管理とは?お小遣い帳、アプリ管理、家庭内ルールがポイント

「子どもの無駄使いが心配」「何歳くらいからお小遣い管理を任せていいのかわからない」など、子どものお小遣い管理について迷う親も多いのではないでしょうか。そこで、本記事では子どもの自立を育むお小遣い管理の方法を紹介します。

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子どもの自立を育むお小遣い管理のポイント

お金の使い方に慣れていない子どもが、お小遣い管理を身に付けていくにはどうしたらいいのでしょうか。お小遣い管理で子どもの自立を促すポイントを紹介します。

【ポイント1】必要なフォロー以外は見守る

子どもにお小遣いを渡したら、親が使い道を決めるのではなく、子ども自身がお金をやりくりするすることを尊重しましょう。 自分でお小遣いの使い道を考えたり、買う買わないを判断したりするなど、実際にお金を使う経験をすることで考える力や判断する力が身につきます。ついつい無駄遣いをしていないか、何を買ったのかなど、使い道に口を出したくなりますが、グッとこらえて。小さな失敗や成功体験の積み重ねが金銭感覚を育むことにつながります。 むしろ大事なのは、子ども自身が失敗に気付くこと。子どもが「使いすぎてしまった」「別のものを買えばよかった」など、失敗話をしてきたら叱るのではなく、「どうすればよかったかな?」「こういう使い方もあったかもね!」など、子ども自身で考えられるようなアドバイスをするなど、親子で会話をしながら一緒に振り返りができるといいでしょう。

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【ポイント2】親子で最低限のルールを設ける

お小遣いを渡す際に、事前に親子で話し合って最低限のルールを決めることで、家庭内の摩擦やさまざまなトラブルを防ぐことができます。ルールの例を紹介するので、家庭の方針や子どもの状況に合わせて参考にしてくださいね。

例1:「お小遣いを使いきっても追加であげない」

お小遣いはもらったお金の範囲でやりくりすることで家計管理が身につきます。そのため、お小遣いを使いきってしまい「お金が足りないからちょうだい」と子どもにねだられても、追加でお金を渡さないようにするのが原則です。 どうしてもお金が足りないときは、本人になぜお金が必要かを説明してもらい判断する、お手伝いなど家庭内でアルバイトに対してお小遣いを渡すなど、日頃のお小遣いとは切り離して対応するといいでしょう。

例2:「何のためのお小遣いか親子で最初に決める」

最初に何を買うためのお小遣いなのかを親子で話し合っておくと、子どもが迷うことなく、計画を立てやすくなります。 たとえば、「学校で必要な文房具は親が買うけれど、さらに欲しい場合はお小遣いで買う」「家で食べるおやつは親が用意するけれど、友達と出かけたときの飲食代はお小遣いから払う」「友達へのプレゼント代はお小遣いを使う」など、家庭の考え方や状況に合わせて決めるといいですね。 いくら子どもが自由に使えるお金とはいえ、高額なものを購入するのが心配な場合は、「⚪︎⚪︎円以上のものを買う場合は、事前に相談する」と決めておくと安心です。

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例3:「友達とお金の貸し借りはしない」

親が知らないうちに友達とお金の貸し借りをして、思わぬトラブルにつながることも。なぜお金の貸し借りをしてはいけないのか、お金の大切さと合わせて家庭で話しておけるといいでしょう。 万が一、お金のトラブルを抱えてしまったら、自分一人で解決するのではなく、親に相談するよう、合わせて伝えておきます。そのためにも、日頃から親子でコミュニケーションを取り、子どもが困ったときに相談しやすい環境を用意しておくことが大切です。

【ポイント3】使い道を計画する

子どもが日々のお小遣いの管理に慣れてきたら、使い道を計画的に考えられるよう、フォローしていきましょう。 たとえば、1ヶ月のお小遣いでは欲しいものが買えない場合、計画的にお金を貯める必要があります。自分の価値観に気づき、欲しいものの優先順位を決める、それに従って目先の欲しいものを我慢する、数か月間お金を貯めて本当に欲しいものを手に入れるといった成功体験は、子どもの自信につながります。親もぜひ一緒に応援し、上手な買い物ができたら褒めてあげましょう。 計画を立てるのが苦手な場合は、定額制お小遣いにすると、毎月入ってくるお金が決まっているため、計画を立てやすくなるのでおすすめです。 計画的に使えるようになったら、お年玉などまとまったお金を子どもに任せてみるのもいいですね。お年玉全額でなくても、その中の一部を任せるといった方法もあります。子どもの成長に合わせてお小遣い管理の方法を変えるといいでしょう。

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楽しみながらお小遣い管理ができる!おすすめの方法

お小遣い管理する上でおすすめの方法が、お金の使い道や金額を記録するお小遣い帳。昔からある紙のお小遣い帳に加え、いまは簡単に記録できるアプリもおすすめ!子どもの年齢や性格に合わせて選んでもいいでしょう。

アプリで管理

視覚的にも楽しく、貯まる感覚が実感できるアプリでの管理。子ども向けアプリなら、日頃スマートフォンやタブレットを使っていない子どもでも、一度慣れてしまえば簡単に操作できるように。タブレットや親のスマートフォンを活用すれば、まだスマートフォンを持っていない低学年の子どもも親子で体験することができます。 アプリはさまざまな機能があり、なかには自動で日付や使った金額が入力されるものも。レシートの保管や入力する手間が省け、自動で計算をしてくれるので、継続しやすいのがポイントです。

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紙のお小遣い帳で管理

可愛いノートを活用したり、市販のキャラクターのお小遣い帳で楽しくスタート。日記感覚でコメントを書く、シールを貼ってデコレーションをするなど、書くのが好きな子、マメな子にぴったり。小さい子どもでも気軽に始められるので、お小遣い管理デビューにもおすすめです。 ただし、レシートを持ち帰って、日付や金額、残高を手書きで記入しなければならず、手間がかかるのが難点。書き漏れや計算ミスなどにも注意が必要です。続けられない子どもには、親が声がけをしながらサポートしてあげましょう。

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年齢別、お小遣い管理のポイント

お小遣いは、小学校低学年のうちから自分での管理をスタートするのがおすすめです。なぜなら、きちんと管理できるようになるには、ある程度の期間が必要ですし、年齢が低い方が親のアドバイスを素直に聞いてくれるから。その後反抗期に入って親の言うことをなかなか聞かなくなったとしても、家計管理や金銭感覚が小学生のうちに身についていれば、自分で試行錯誤できます。 それでは、年齢別のお小遣い管理のポイントを紹介します。

小学校低学年

まずは買い物の仕方を教えるところからスタート!初めてのお買い物は緊張するので、現金を持たせてレジでの支払いを一緒にする、後ろから見守るなど、サポートしてあげましょう。 お年玉の一部を渡すなど、金額をコントロールしながら、少しずつお小遣い管理を学ばせていきます。遠足用のお菓子300円で好きに買わせるなど、都度渡すところから始めても。お小遣い帳の習慣化を促すために、まずは親子で一緒につけたり、定期的に報告会をしたりするといいでしょう。

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小学校高学年

習い事や塾に一人で行くようになったり、友達同士で近場で遊んだりするようになる頃。交通費やおやつ代としてお小遣いを渡す場合もでてきます。他にも、ゲームやマンガ、本、文房具など、お小遣いの使い道の種類も増えていきます。 お小遣い帳を使って何を買ったのか振り返りながら、欲しいものに優先順位をつける、欲しいもののために貯めるなど、計画的にお金を使う習慣を身につけられるといいでしょう。

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中学生以降

行動範囲が広がってお金の使い道に親の目が行き届かなくなり始めます。家庭の方針や子どもの性格によってどの程度の金額を渡すのか判断します。 長期の目標に向けた貯金を始めたり、経済ニュースを一緒に見たり、将来の仕事や資産運用について話をしたり、経済的な自立に向けて必要なフォローをしてあげましょう。

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取材・文:平野 友紀子(Yukiko Hirano) 編集:杜多 真衣(Mai Toda)