シミュレーターを使って、複利の効果を体感してみよう
👍 おすすめポイント
複利という概念を理解できると、お金が勝手に増える世界がイメージできるようになります。早い段階で資産形成に取り組むほどお金が増えていくため、子どものうちから理解しておくことが重要です。大人になったときに投資へ関心を持つきっかけとなりうるため、ぜひ子どものうちから伝えるようにしましょう。
🗓️ 期間
子どもが計画的にお金を使えるようになり、貯金を習慣化した後に、トライしてみましょう。子どもが自ら物を購入したり、貯金を始めたりなどの実体験があることで、理解度がより深まります。
🏃♀️トライのポイント
STEP1:複利の原則を理解しよう
複利とは、元金と利息の合計額に金利を乗じる方式です。一方、単利は元金にのみ金利を乗じます。資産を長期で保有するほど「複利」効果を多く享受でき、お金を増やしやすくなります。
便利な「72の法則」
複利の効果をさらに理解するために「72の法則」という計算方法を覚えておくと便利です。この法則は、元金を2倍にするのに必要な年数を簡単に計算できる方法で「72÷金利」の計算式で算出できます。
例えば、金利2%の場合、元金が2倍になるまでに36年(=72÷2)かかることがわかります。
STEP2:実際にシミュレーターで増え方を見てみよう
親子で複利について学ぶ際は、金融庁の「つみたてシミュレーター」を活用するのがおすすめです。積立金額や期間を入力するだけで、簡単にシミュレーションができます。例えば、月1万円を5%で中学校3年間貯めた場合と、中学校から大学卒業までの10年間積み立てた場合のシミュレーションをみてみましょう。
このように、10年間の運用収益は35万円となるため、月1万円を約3年分追加で貯めたのと同じ効果があることがわかります。シミュレーション結果を子どもに見せて「このお金で何をする?」と子どもに問いかけると、お金の活用について考えるきっかけになります。子どもの夢や目標と結びつけると、より関心が深まるでしょう。
複利運用は時間とともに大きく成長し、長く続けるほど雪だるま式に資産が増えていきます。将来、この運用収益をさらに増やすことでもっと大きな夢を実現できる可能性があると、子どもと話し合うのもよいでしょう。
参考)つみたてシミュレーター
STEP3:貯金した場合とシミュレーターを比較してみよう
シミュレーターの結果が出た後は、貯金した場合と比較してみましょう。月1万円を10年間単純に貯金すると、120万円になります。貯金ではほとんど金利は付きません。一方、年5%の金利で運用すると約155万円となり、35万円の収益が得られる可能性があります。
155万円を10年間の貯金のみで達成しようとすると、毎月約13,000円の貯蓄が必要です。複利効果を活用した投資では、同じ積立額でもより大きな資産形成が可能になることがわかります。
「貯金」と「投資」どっちが大事?両方うまく活用する方法
資産運用では複利によりお金が増えるものの、同時に貯蓄も重要であることは伝えましょう。貯蓄はお金がほとんど増えないものの、緊急時の備えとなります。生活を守るための貯蓄、中長期的に使う可能性があるお金を資産運用、という感じでバランスを取ることが重要です。
投資を始める際は少額から始めるなど、リスク許容度に応じた運用を行いましょう。
投資については「ギャンブルと投資の違いを考えてみよう」「株や債券などの金融商品の種類を調べてみよう」のトライを参考にしてみてください。
※シミュレーターの結果は将来の予測であり、保証された金額ではないことを子どもにもしっかりと伝えておきましょう。シミュレーターは過去のデータに基づく予測となるため、将来の市場変動を完全に予見するものではありません。実際には元本割れするリスクもあります。