子どもとの会話、まずは質問から

「早くしなさい!」が逆効果になっていませんか?

つい口にしてしまう「早く宿題をしなさい」「片づけなさい」。 親としては当たり前の声かけですが、返ってくるのはため息や反抗…。 「なんで素直に動いてくれないんだろう」と思ったことはありませんか? 実はそれ、「子どもが自由を奪われた」と感じているサインかもしれません。

💡心理学の解説

心理学ではこれを 「心理的リアクタンス」と言います。 理論によると、人は「自由を制限された」と感じると反発心が強まります。[1]。 親が「やりなさい!」と繰り返すと、子どもは言うことを聞くどころか、逆に避けたり無視したりすることもあります。
そんなときに有効なのが「質問から始める」こと。 問いかけを入り口にするだけで、子どもは「自分で選んで動いている」と感じやすくなり、反発が減って行動が続きやすくなるのです[2]。
研究から導かれる小さな工夫には、次のようなものがあります。
子どもが自分で考え、選び、調整できるようになるための、4つの小さな工夫です。
  1. 一呼吸おいて観察する
    1. すぐに口を出すのではなく、落ち着いて子どもの様子を観察することで、感情的な反応を抑えられます。
  1. 選択肢を渡す
    1. 「お風呂と片づけ、どっちを先にする?」のように小さな選択肢を示すと、子どもは「自分で決められる」と感じられます。
  1. 満足の言語化
    1. 「今日のお金の使い方で良かったことはあった?」と問いかけることで、自分の行動を振り返り、前向きに考えられるようになります。
  1. 次の一歩を言わせる
    1. 「次はどうする?」と尋ねると、子どもは自分で行動を選びやすくなります[3]。
これらはすべて「自由を尊重しながら行動を支える」ための工夫です。
4つは順番に使っても、ひとつ試すだけでも効果があります。大切なのは、評価ではなく作戦として声かけを工夫してみることです。

 🏡 今日からできる3ステップ

  1. 事実を1つだけ取り上げる
    1. 例:「宿題の時間になったね」
  1. 短い質問で始める
    1. 例:「今日はどの教科からやってみる?」
  1. 迷ったときは、一緒に次の計画を考える
    1. 例:「じゃあ今日は算数を10分やってから国語にしようか」
言い換えのコツ:
NG 🙅:ダメ/〜しなさい/なんで〜したの!
OK 🙆:次はAかBにしてみる?/一番満足できたのはどれ?

❓もし、効果がなかったら?

「質問しても動かない…」と感じることもあるでしょう。
それでも、質問を続けることで子どもは「自分に選択肢がある」と気づきます。
その積み重ねが「自分で決めて動ける」という感覚を育て、少しずつ行動の変化につながっていきます。

参考文献

1]Steindl, C., Jonas, E., Sittenthaler, S., Traut-Mattausch, E., & Greenberg, J. (2015). Understanding Psychological Reactance: New Developments and Findings. Zeitschrift für Psychologie, 223(4), 205–214.
2]Vasquez, A. C., Patall, E. A., Fong, C. J., Corrigan, A. S., & Pine, L. (2016). Parent Autonomy Support, Academic Achievement, and Psychosocial Functioning: A Meta-analysis of Research. Educational Psychology Review.
3]Grolnick, W. S., Levitt, M. R., Caruso, A., & Lerner, R. (2021). Effectiveness of a Brief Preventive Parenting Intervention Based on Self-Determination Theory.