感情を抑えて、論理的に助言する
なんでこんなことしたの!と感情的に言ってしまったことはありませんか?
子どものお金の使い方や行動に驚いたり、イライラしたり…。
つい感情のままに「ダメ!」「どうしてこんなことを!」と叱ってしまう。
そんなとき、子どもは黙り込んだり反発したりして、話が前に進まないことはありませんか?
💡心理学の解説
人は「自分の自由が脅かされた」と感じると反発心が強まります。これを心理学では「心理的リアクタンス」と言います[1]。
親が感情的に強く否定すると、子どもは「責められている」と受け取りやすく、素直に受け入れるよりも抵抗してしまうのです。
そこで大切なのは「感情ではなく理由で伝えること」です。
感情を抑え、落ち着いた声で根拠を添えて助言すると、子どもは「理解して選べる」と感じやすくなります[2]。
これは自律性を尊重する声かけにつながり、学びや行動の持続に効果があります。
研究から導かれる小さな工夫には、次のようなものがあります。
- まず深呼吸して気持ちを整える
感情が高ぶったまま話すと反発を招きやすいため、一呼吸おいてから声をかける。
- 理由を添えて伝える
「それは危ないから」「お金が足りなくなるから」と背景を説明することで納得感が生まれる[2]。
- 感情ではなく事実に焦点を当てる
「また無駄遣いして!」ではなく「今週のお金はあと300円だね」と事実を基点に会話する。
- 代替案を一緒に考える
「次に欲しいときはどうすればいいかな?」と問いかけ、選択肢を子どもと一緒に作る[3]。
これらはすべて、反発を抑えながら行動を促すための工夫です。
全部を一度にやる必要はありません。ひとつでも試すだけで、会話の雰囲気が変わります。感情を抑えて「作戦」として助言してみることが大切です。
🏡 今日からできる4ステップ
- 気持ちを落ち着けて事実を伝える
例:「今週のおこづかいはあと300円だね」
- 理由を添えて助言する
例:「全部使うと、来週欲しいものが買えなくなるよ」
- 迷ったときは、一緒に次の計画を考える
例:「来月までに500円ためてみようか?」
言い換えのコツ:NG 🙅:ダメ/〜しなさい/なんで〜したの!OK 🙆:ここの中で一番よかったのはどれ?/このあと具体的にどうする?
❓もし、効果がなかったら?
「冷静に言っても響かない…」と感じることもあるでしょう。
その場合でも、感情をぶつけず事実と理由で伝え続けることが大切です。
子どもは「責められている」感覚ではなく、「理解して選べる」感覚を少しずつ身につけていきます。
参考文献
[1] Steindl, C., Jonas, E., Sittenthaler, S., Traut-Mattausch, E., & Greenberg, J. (2015). Understanding Psychological Reactance: New Developments and Findings. Zeitschrift für Psychologie, 223(4), 205–214.
[2] Vasquez, A. C., Patall, E. A., Fong, C. J., Corrigan, A. S., & Pine, L. (2016). Parent Autonomy Support, Academic Achievement, and Psychosocial Functioning: A Meta-analysis of Research. Educational Psychology Review.
[3] Grolnick, W. S., Levitt, M. R., Caruso, A., & Lerner, R. (2021). Effectiveness of a Brief Preventive Parenting Intervention Based on Self-Determination Theory.